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豆知識コラム

免許自主返納のソフトなススメ方
2020-10-30
カテゴリ:知っておきたい
近年高齢ドライバーによる交通事故が頻繁に報道され、自分の親のことが気になりますね。
 
かといって今や生活必需品となっている運転免許がなくなると生活に支障が出たり、人の手を借りなければいけなくなる不自由さで躊躇したり、長年運転してきたという本人のプライドを傷つける可能性もあります。
 
どのように促せば自ら返納しようという気になってもらえるでしょうか。
 
 
自主返納に関するアンケート結果
75歳以上の「自主返納した人」と「自主返納をしていない人」を対象に警視庁がアンケートを実施したところ、こんな結果がでています。
 
●運転の目的
 7割が「交通手段」と回答
 内、5割が「買い物」1割が「家族の送迎」と回答
 また、地方になるほど車への依存度が高くなっています。
 
●運転頻度
 返納していない人の6割が「ほぼ毎日運転している」と回答
 
●自主返納をためらう理由
 7割が「車がないと生活が不便になる」と回答
 
●自主返納者の支援制度を知っているか
 6割が「知らない」と回答
 
●自主返納をしようと思ったことはあるか
 大都市では63%がないと回答したが
 人口2万人以下の町村では75%がないと回答
 
●自主返納した人に対し自主返納をしようと思ったきっかけ
 33%が「家族に勧められた時」
 27%が「運転の必要性を感じなくなった」
 20%が「運転に自信がなくなったように感じた時」
 
●自主返納のために必要な支援
 45%が「乗合タクシー、コミュニティバス、タクシー等の割引」と回答
 30%が「電車、路線バスの発達」 と回答
 
 
このような結果からわかることは、買い物や仕事、送迎、通院などの目的で運転しており、車がなければ生活が不便になるということがわかりました。
また、交通手段が充実していたり割引などの支援があると返納しようというきっかけになることも伺えます。
一番興味深かったのが、自主返納をしようと思ったきっかけの1位が、家族に勧められた時だったことです。家族からの説得も効果があるのですね。
 
これらを踏まえて、自分の親はどのような状況にあるかを考慮しながら時期などを話し合っていく必要があります。
 
 
 
自主返納するタイミング
毎日必要としているのに突然、「そろそろ返納したら」と言われても困ってしまったり、まだまだ現役だ!とプライドを傷つけてしまう可能性もあります。
 
そのあたりを考慮しながらタイミングを見計らうことが大切です。
 
タイミングを見る材料の一つとして、時々親御さんが運転する車に同乗してみるのはいかがでしょうか。
 
・歩行者や障害物に注意がいかない時がある
・ウィンカーを出し間違えたり忘れたりする
・カーブをスムーズに曲がれない時がある
・車庫入れの際に擦ることが増えてきた
 
同乗してみてこのようないつもと違う様子がみられたらタイミングかもしれません。
 
 
自主返納しても大丈夫な環境を整える
タイミングがきたら次は、自主返納しても困らないような環境をできる限り用意したり提案してみることです。
 
一番困るのは移動手段ですから、市町村の割引制度やコミュニティバスなどの資料を自分で集めてみましょう。意外に知らずに市がやっていた制度などもあるかもしれません。それから家族間で送迎できるなら手伝うということも伝えます。
車がなくても大丈夫な代替え案ですね。
 
 
現在は地方自治体毎に自主返納者への特典が用意されています。タクシーの回数券の配布の他、施設や店舗での割引などたくさんあります。6割の方がそれを知らないという調査結果でしたので、こちらで調べて提案してみるといいですね。
 
 
また、自主返納をすれば「運転経歴証明書」の申請ができます。身分証明する時に使え、銀行などでも使える正式なもの申請すれば交付されますので提案してみるといいと思います。
 
自主返納、誰がススメる?
もうこの先車を運転することができなくなるというのは大きな決断です。
それを誰が説得するかも重要になってきます。
 
・子供や兄弟など気兼ねなく本音が言い合える人
・返納経験者
・本人がとても信頼を寄せている人
・本人の尊敬している身近な人
 
などでしょうか。
返納経験者が返納後の体験談などを話ししてくれると受け入れてもらいやすいかもしれません。
ただし、皆で追い詰めるように説得するのは良くありません。
 
本人のプライドを最大限に尊重しながら、これまでお世話になった感謝の気持ちと敬意をもって素直に伝えてみるのが1番心に響いてくれるのではないでしょうか。
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